プロフィール

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ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社
ミライをツクル事業部 マネージャー 矢羽田 雅和 様

- 働き方企画部 木村 君江 様

- 働き方企画部 浮田 星夜 様

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オンワードコーポレートデザイン
インサイトセールス第1Div.
コンサルティング2課 課長 原田 明子

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オンワードコーポレートデザイン
イノベーションデザインDiv.
サステナブル推進課 広報担当 三島 菜々子
プロジェクトの背景 環境負荷低減を目指し、想いが重なったスタート。
- 矢羽田様
- ANAでは2021年から“ANA Future Promise”を掲げ、持続可能な社会の実現に向けた様々な取り組みを進めてきました。2050年度までに資源類の廃棄率をゼロにすることを長期環境目標とし、継続的に注力しているところです。本プロジェクトは、“ANA Future Promise”の一環で、社内から「飛行機で使用した廃棄客室シートカバーを再利用した商品をつくれないか」というアイデアがあり、実現のサポートをオンワードコーポレートデザイン様にご依頼しました。
- 三島
- ご相談をいただいた当時はコロナ禍の影響もあり、社会課題への関心が大きく高まっていました。オンワードコーポレートデザインでもアップサイクル事業に注力し始めていて、まさに想いが重なったと感じたことを覚えています。
- 原田
- 私たちは“ものづくりの会社”である以上、環境負荷は避けて通れない課題です。だからこそ、環境負荷低減を目指すプロジェクトに関わらせていただけるのは、とても意義深いことだと感じています。
- 矢羽田様
- オンワードコーポレートデザイン様とは制服を通じて長年のお付き合いがありましたから、高い技術力をお持ちなのは存じ上げていました。加えて、制服のアップサイクルなど、業界内でも先進的な取り組みを進めている点も注目していました。本プロジェクトをご一緒できれば、きっとより良い成果が得られる。そう期待してのオファーでした。
ルームシューズプロジェクト
職人技で実現した、
空の旅のワクワクが蘇るルームシューズ。
- 三島
- ルームシューズのアイデアは、何度も議論を重ねてご決定いただきましたね。
- 木村様
- シートカバーは機内で使用されるものですから、生地として非常に丈夫で上質です。その利点を活かしながら、商品を手に取った時、機内で感じたワクワク感や旅の思い出が蘇るようなものにしたいという想いがありました。
- 三島
- 弊社の企画担当がすごく良質な生地だと驚いていました。廃棄に関しても、安全性や快適性を追求するからこそ、発生するとおっしゃっていましたね。
- 木村様
- はい。洗濯回数や傷みの度合いなど、とても厳密に管理していますから、廃棄されるとはいえ状態は良好です。ルームシューズは生地が映えますし、日常生活で長く愛用いただけると考え、決定しました。ただ、ものづくりとしては大変な面もたくさんありましたね。
- 原田
- そうですね。一度シートカバーの形に縫製してあるので、縫い目や形の違いを考慮して型を取る必要がありました。どうすれば生地を有効に使えるか、かなり研究を重ねました(笑)工場探しも苦戦しましたが、山形県の株式会社後藤様が「ANAさんのプロジェクトならぜひ協力したい」と力を貸してくださいました。職人の方々が一つひとつ型を取り、手縫いで仕上げてくださって。左右を揃えたとき、模様もピタッとつながるんですよ。
- 矢羽田様
- 皆様の尽力のおかげで、この完成度には私たちも驚きました。普段見慣れたシートカバーが見事に生まれ変わったなと。この一足一足には、お客様と旅を共にしたストーリーが刻まれています。飛行機にまだ乗ったことがない方も、ルームシューズを通じて旅のワクワク感をご自宅で味わっていただけるとうれしいですね。
- 三島
- 発売時には共同で記者会見を開くなど、広報にも力を入れました。多くのメディアに集まっていただき、注目度も高かったです。
- 木村様
- 初回の抽選販売では、52倍ものお申し込みをいただきました。「飛行機での出張が多かった父の退職祝いにしたい」「旅好きだった家族を元気づけたい」など、熱いメッセージもたくさん頂戴しました。そうしたお声にできる限り応えるため、種類を増やすなどして、販売数を確保しています。
パッチワーククッションプロジェクト
端の端まで無駄にしない
“本気”から生まれたクッション。
- 原田
- ANA様が素晴らしいのは、ルームシューズで出た“端切れ”のさらなる有効活用にも踏み切られたところです。
- 浮田様
- どこまで活用できるか、挑戦したいという想いがありました。限界までやってみようと(笑)
- 原田
- 一枚の端切れから数センチ四方のパーツしか取れない状態だったので、内心驚きました(笑)ですが、環境負荷低減を“体裁”ではなく“本気”で実行されているのだと、改めて感銘を受けました。みんなで頭を捻って、「パッチワークにしたら大きなサイズの商品にできる」とご提案し、最終的にパッチワーククッションを採用していただきました。
- 浮田様
- 柄にもこだわって、配置や色のバランスなど、様々なパターンを試していただきました。裏面にはキッチンやクラスを仕切るカーテンを使用し、プリーツをそのまま活かしているんです。使いやすさとデザイン性の両立を追求し、お客様に満足いただける仕上がりになったと思います。そして結果的に、廃棄されるシートカバーの約85%をアップサイクルすることができました。
- 原田
- 今回も非常に好評で、初回販売分は即日完売。テレビやネットニュースにも多数取り上げていただきました。
- 浮田様
- 本当にありがたい限りです。ルームシューズやクッションには、多くのお客様から私たちの取り組みに賛同する声が寄せられています。もちろん商品である以上、たくさんの方にご購入いただきたいという想いはあります。しかし、前例のない取り組みですし、アップサイクルの特性上どうしても価格が高くなってしまうという現実もあり、手探りで進めている部分も少なくありません。そうした中で、私たちの想いに共感し、ポジティブなリアクションをいただけることは、事業の価値を私たち自身が改めて認識できる機会にもなっています。つくづく、お客様に支えられている事業だと実感していますね。
- 矢羽田様
- ECサイトの分析を行ったところ、私たちがリーチできていない層からの流入が多くみられ、クロスセル効果という点でも、オンワードコーポレートデザイン様と協業した成果を感じました。
プロジェクトを振り返って
“もの”にとどまらない、
広がりある体験価値を。
- 原田
- オンワードコーポレートデザインには、環境配慮に関するご相談が多く寄せられます。ただ、何を目的にして、どんな成果を得るのかといった点で、まだまだ実現が難しいケースも多々あるなか、実行し、お客様からも支持されている本プロジェクトには、社会的にも大きな意義があると感じています。A N Aというブランドが確立されているからこそですよね。
- 矢羽田様
- ありがとうございます。ANAは、お客様の体験価値向上をとても大切にしています。今回のプロジェクトは、まさに体験価値を実現できたのではないでしょうか。ルームシューズやクッションを手に取ってくださった方はもちろん、それをきっかけに会話やコミュニケーションが広がり、環境への意識につながる。そういった広がりある体験価値の創出こそが、本プロジェクトがもたらしてくれたものだと感じています。
- 原田
- それは私たちにとっても励みになりますね。量産できないことは歯痒いですが、量産できないからこそ感じていただける価値もあります。オンワードコーポレートデザインの知見を活かすことで、微力ですが、今後もお役にたてたらうれしいです。
- 矢羽田様
- ぜひお互いの強みを活かして、より多くのお客様に、より多様な価値をお届けできればと思います。