TDK株式会社
“着る”“使う”の一歩先へ。
作業服から広がる未来の可能性。

背景

電子機器の進化を支える幅広い電子部品や電子デバイスを開発・製造・販売する大手電子部品メーカーT D K様は、グローバル企業としてサステナビリティに高い意識を持ち、推進しています。そんななか、2023年に約25年ぶりとなる作業服のリニューアルを実施。什器、新素材など、リニューアルを起点に展開していくT D K様の先進的な取り組みをご紹介します。

ご提案

ユニフォーム

  • 約25年ぶりのリニューアルに際し、コンペ前からコンサル的に伴走。
  • 男女同一デザインで「多様性の尊重」を実現。再帰性反射材やホイッスル型引手など、安全性に配慮。
  • 内製体制により細部までクオリティを担保。
  • アフターフォローとして安定供給を担う。

空間デザイン

  • 旧作業服を再活用し、企業価値向上と環境負荷軽減を両立するアップサイクル什器を実現。
  • ロゴモチーフの形状や生地色を生かした什器が、社内外のコミュニケーションを促進。サステナビリティを象徴する空間としても機能。

サステナブルコミュニケーション

  • 使用済みフィルムから生まれた新素材を新作業服に導入。
  • フィルムリサイクル生地であることを示すオリジナルピスネームを制作。

プロフィール

TDK株式会社
人財本部 国内人財開発統括部
労政部 本社地区人事課
佐藤 楓奈様
ユニフォームセール
第1Div.コンサルティング3課
課長代理
本田 太希

作業服リニューアルの背景 コンサル的な視点で期待と不安に寄り添う。

本田
TDK様とは、2023年の作業服リニューアルから始まり、2024年にアップサイクル什器、2025年にはフィルムリサイクル作業服の導入と、継続的にご一緒させていただいています。作業服リニューアルはコンペからスタートしましたね。
佐藤様
当社の工場で着用していた作業服は、もう約四半世紀も同じものでした。DE&Iを推進する企業として、男女でデザインが異なる旧作業服は時代にマッチしません。いよいよリニューアルが決まり、期待が高まる一方で、不安な気持ちもありました。何しろ約25年ぶりのことですから、社内にノウハウが何も残っていなかったのです。
本田
佐藤さんのように、不安を感じながらスタートされる企業様は本当に多いですよ。
佐藤様
全国約15,000名が着用する責任の重さにプレッシャーを感じていたのですが、本田さんから「どんなに用意周到でもトラブルは起こるもの。でも私たちは何度も経験していますから、大丈夫ですよ」と励ましていただいたことをよく覚えています。また、コンペ前からコンサルティングのような形で進め方のアドバイスもいただき、とても心強かったです。
本田
コンペ参加者ではあるものの、あえて第三者視点を持ち、本質的にサポートできるよう留意していました。コンペの準備としてコンセプト設定をお勧めしたところ、素晴らしい形で実践されていて驚きました。
佐藤様
ありがとうございます。コンセプトは迷ったときに立ち戻れる指針だと考え、チームで案を出し合いました。そして、そのコンセプトをどのように実現してくださるかを選定の第一基準としました。

作業服リニューアルプロジェクト デザイン・品質ともに「本当に求めているもの」を。

佐藤様
新しい作業服は、とにかく“工場で働く方々の満足度”を最優先に考えました。私自身、工場で働いていた経験があり、「作業服のことは現場の人が一番よく分かっている」「現場で本当に受け入れられるものをつくらなければ」という強い想いがあったんです。
本田
私たちも実際に工場を見学させていただいた上で、ご提案に挑みました。まず重視したのがコンセプトの一つでもあった「多様性の尊重」。性別や好みに関係なく着用できる、シンプルで万人に受け入れられるデザインをめざしました。さらに欠かせないのが着心地です。素材選定にはかなりこだわり、社内で議論を重ねました。
佐藤様
コンペの結果、デザイン、品質ともにオンワードコーポレートデザイン様が圧倒的でした。特にサンプルの仕上がりは素晴らしかったです。私たちの要望を深く理解し、「本当に求めているもの」を見抜いてくださったと感じました。
本田
私たちはアパレルを母体としているため、仕立てやパターンには強いこだわりがあります。すべて内製化しているので、細部までクオリティを担保できるのが強みです。
佐藤様
安全性の観点からご提案いただいた「再帰性反射材」や「ホイッスル型引手」も、ちょうどB C MやB C Pのニーズが高まっていたなか、役員をはじめ非常に好評でした。
本田
作業服に「ホイッスル型引手」を取り入れるのは先駆的でしたね。プロジェクトスタート当初は不安もあったと伺いましたが、デザイン決定から納品までの進行は非常にスムーズでした。その背景には、佐藤さんたちが“納品ルールブック”を作成し、各工場へ配布するなど、協力体制があってこそでした。導入後の反応はいかがでしたか?
佐藤様
とても着心地が良く、アクティブに動けると好評です。肩回りのプリーツに加えて、生地自体もとても軽いので、長時間のPC作業でも肩が凝りにくくなりました。見た目の点でも、会社説明会などで外出する際に堂々とできる、自信を持てるとの声が。スタイルよく見えるのも、喜ばれているポイントです。

アップサイクル什器プロジェクト 思い入れのある旧作業服が
什器として新たな価値を生み出す。

本田
T D K様はサステナビリティに非常に注力されていることから、旧作業服を活用して企業価値向上と環境負荷軽減を両立できる、シンボリックな取り組みのご相談をいただきました。
佐藤様
T D Kには、グローバル企業として、単なるマテリアルリサイクルやサーマルリサイクルにとどまらず、もう一歩先を実現したいという想いがあるんです。
本田
実は、最終的に採用いただいた「PANECO®」を用いたアップサイクル什器は、2度目のご提案。初回の提案は「もう一歩」とご納得いただけなくて(笑)。なんとか期待に応えたいと探し回って見つけたのが繊維リサイクルボード「PANECO®」でした。
佐藤様
旧作業服をボードへ再生し、オフィス什器として活用するというアイデアですね。
本田
これなら、別軸のニーズとして伺っていた「社内外のコミュニケーション活性化」「新しいワークスタイルに対応した作業スペースの確保」にも応えられると考えたんです。
佐藤様
什器の形状がTDKのロゴマークをモチーフとしていたり、生地の色がそのまま生かされていたり、とても親しみのある仕上がりですよね。現在では場としての活用はもちろん、社内外の会話のきっかけにもなっています。旧作業服が目に見える形で再生し、新たな価値を生む。まさにアップサイクルの理想形だと感じています。社内でも高く評価され、表彰もされました。

フィルムリサイクル作業服プロジェクト フィルムから作業服へ。
未来に繋がる稀有な試み。

本田
2025年には新作業服の生地をフィルムリサイクル生地に置き換えるという、先進的な取り組みも実現されました。
佐藤様
背景には、2022年頃から東レ様と協業で進めていた「フィルム to フィルム」のリサイクルスキームがあります。使用済みのフィルムを洗浄・再生し、再び使用するスキームを模索する中で、東レ様の技術によって使用済みフィルムから糸をつくり、生地へと再生するプロジェクトが展開していました。ちょうどその時期に作業服のリニューアルも並行していたため、「新作業服にこの生地を使えたら面白いのでは」という構想が生まれたのです。
本田
生地が完成したタイミングで、私たちが縫製メーカーとして参画することに。工場で安心して着用できる品質基準を担保するため、まずは物性検査からスタートしました。約1年をかけ、最終的に申し分ないクオリティに仕上がりました。
佐藤様
フィルムリサイクル作業服は、社員一人ひとりの環境意識を高める身近な取り組みとして非常に意義があります。また、工場にいらっしゃるお客様や地域・学生の皆様にも、「T D Kは面白いことをしている」と感じていただける象徴的な事例になったと思います。
本田
この取り組みをより分かりやすく伝えるため、フィルムリサイクル生地であることを示すオリジナルのピスネームを取り付けています。弊社ではこれまで約2,000社のユニフォームを手がけてきましたが、このような事例は初めてで、日本国内でも非常に珍しいケースです。まだまだ実現には課題の多いサステナビリティ領域で、挑戦し続けるT D K様の強い意思を感じています。
佐藤様
拠点を限定してスタートしたフィルムリサイクル作業服ですが、現在全国展開を進めています。これからどんな波及効果があるか、大いに期待していますね。オンワードコーポレートデザイン様には、リニューアルが完了した今も、作業服の安定供給をサポートいただいています。どんなことでも相談に乗ってくださる本田さんの親身な対応にはいつも感謝です。
本田
うれしいですね。T D K様の先進的な取り組みにご一緒できていることを光栄に思います。弊社ではサポートできる領域が年々広がっていますので、これからも「困ったら本田に聞こう」と頼っていただける真のパートナーになれるよう、全力でお手伝いしていきます。